活動内容

「超高速強光子場科学研究センター」による研究支援内容

日本側のコーディネーターを海外の交流相手国のコーディネーターとの意見交換および連携を通じて、超高速強光子場科学の研究分野において、

  1. 東京大学をはじめとする日本国内の機関に所属する日本人研究者の海外での学会出席、共同研究のための渡航費、旅費、滞在費の援助
  2. 日本国内での国際シンポジウム等国際研究集会の開催
  3. 日本国内で開催される(2)等の国際研究集会に参加し、口頭発表を行う外国人研究者の渡航費、国内旅費、滞在費等の援助

を行います。

強光子場科学の展開

これまで自然界の構造は「光」によって明らかにされてきたと言っても過言ではありません。しかし、これまでの「光」は弱く、物質そのものの性質は光によって変化を受けることはありませんでした。ところが、近年の急速な超短パルスレーザー技術の発展は、光の「強さ」を通常の光の1億倍以上に強めることを可能としました。このような「光の場」の中では、物質は光と混ざり合い、まったく異質な性質を示すことが明らかになりつつあります。現在、「強レーザー光子場」の発生とそれを用いた研究、すなわち、「強光子場科学」が、これまでの自然科学と工学の枠組みを越えた「次世代の学際的研究分野」として注目を集めています。そして、物質変換や化学反応を意のままに「光で制御する」ことも可能になると大きな期待が寄せられています。

学際連携の必要性

この強光子場科学は、化学、物理学、レーザー工学の研究者が共同してはじめて組織的な研究展開ができる、極めて学際的な分野です。日本では、平成8年頃より、東京大学理学系研究科化学専攻を中心として、強光子場科学研究が、学際的な交流に基づいて始められました。その取り組みは、科学研究費補助金・特定領域研究「強レーザー光子場における分子制御」(平成14〜17年度、領域代表者:山内 薫)というネットワーク型共同研究という形として結実しています。この特定領域研究では、日本国内の45を越える独立した研究グループが、ゆるい結合を保ちながら先端的な学際研究に取り組み、国際的にも極めて活発に研究を行っています。欧米諸国においても、日本のこの「学際連携」事業の取り組みが注目されています。

また、強光子場科学研究の成果を将来の新しい計測法や産業へ活用することを目指し、産学の連携懇談会「強光子場科学研究懇談会」が平成15年10月に発足し、活発な活動を行っています。

国際連携・国際協力の必要性

日本におけるこの先端的な取り組みを核に、世界規模でのネットワークの構築を目指して、平成16年度より、日本学術振興会の新たな事業である「先端研究拠点事業」の支援を受け、「超高速強光子場科学」(日本側コーディネーター:山内 薫)が発足しました。このプロジェクトでは、日本の学際連携体制を基礎に、東京大学大学院理学系研究科を拠点として、先進諸外国の協力の下に、「強光子場科学」における世界規模での学術交流ならびに学際連携体制を構築することを目指しています。すでに日本をはじめとして、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国の先進7カ国の、総勢60を越える研究グループが学術交流を開始しており、化学専攻に設置した本センター、化学専攻事務室、理学系研究科等事務部の支援の下、国内外の研究者の招聘・派遣、国際会議開催の事業が活発に進められようとしています。

新しい国際研究拠点としてのセンター

「超高速強光子場科学研究センター」では、新しい学際研究分野である「超高速強光子場科学」の分野において、本学を中心とする国際交流を通じて、ネットワーク型の国際的な研究体制の形成を促進するとともに、そのネットワークを通じて、先端研究のフロンティアを国際連携の下に開拓することを目的としています。

本センターでは、日本が先導する形で世界規模の学術交流の促進とともに、日本の若手研究者の国際的な場での活躍の機会を増やし、国際性を兼ね備えた次世代を担う若手研究者の育成を目指します。

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