ホームページ
CORALについて
ニュース
過去のニュース
講義・実習
国際活動
リンク

2018年6月18日(月)、東京大学大学院工学系研究科附属光量子科学研究センター 小芦雅斗 教授による先端光科学講義I「光の量子性と光子計数法」が開催されました。 6月19日(火)〜6月21日(木)、大学院理学系研究科物理学専攻 森田悠介 先生による先端光科学実験実習I「光子計数法とその応用」が開催されました。

講義では、講義では,輻射則や光電効果などの古典論では説明できない物理現象を例に挙げ,光の量子性(光子)に着目することで説明可能であることを解説していただきました.また,光子の干渉実験に見られるような光の干渉は,光子の経路毎の複素振幅の和として現れることを解説していただきました.その後,光の量子性を観測するための,光子統計という手法(光子が検出される時間間隔の頻度の分布を計測する手法)を紹介していただきました.レーザー光やランプなどの,性質の異なる光源からは異なる光子統計分布が計測される物理的な背景や,アンチバンチングした非古典論的な光は古典論では説明できない光子統計分布が現れることを説明していただきました.

実験実習では、実習では,HeNeレーザー光源からの光子統計を,Hanbury Brown-Twiss干渉計を使って計測しました.光を1光子単位で検出するためのSingle Photon Counting Module (SPCM)や,検出した光子同士の時間差を電圧に変換するTime to Amplitude Converter (TAC),TACからの電圧のヒストグラムを作成するMulti Channel Analyzeの役割について説明していただきました.その後,光子相関計測用の光学系を構成するために,微弱な光を正確にSPCMに入射させるための精密アライメントを行いました.構成した装置を使って,He-Neレーザーに回転する”すりガラス”で位相のランダムさを加えた状態で光子統計を計測しました.計測された光子統計分布から,ランダム性による光のバンチング現象が生じていることを確認しました.また,すりガラスの回転速度を変えることで時間コヒーレンスを低下させ,これに応じた光子統計分布の変化を計測することにも成功しました.本実習を通して,光の量子性を検出するための基本的な実験手法を身につけました.

本実習では、「先端光量子アライアンス」ならびに「東京大学工学系研究科附属光量子科学研究センター」にご支援いただき,博士課程学生の的場みづほさん(東京大学大学院理学系研究科),博士課程学生の小松原航さん(東京大学大学院理学系研究科)にティーチングアシスタントとしてお手伝いいただきました。

 

2018 June 18 〜 June 21 東京大学大学院工学系研究科附属光量子科学研究センター・理学系研究科物理学専攻 講義・実験実習風景