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2018年11月5日(月)イムラアメリカ・アイシン精機株式会社 須藤正明 先生による先端光科学講義II「フェムト秒ファイバーレーザー」 と 11月6日(火)〜8日(木) 須藤正明 先生,東京大学大学院理学系研究科 岩崎純史 准教授による 先端光科学実験実習II「フェムト秒ファイバーレーザーを用いたモードロックと非線形効果の観測」が開催されました.


講義では,ファイバーレーザーから発生するピコ秒,フェムト秒のパルス幅を持つ短パルスレーザーの特性を解説していただくとともに,短パルスレーザーを用いた精密加工や医療技術, 多光子励起顕微鏡を始めとした様々な応用技術をご紹介いただきました.また,光を伝送するために使われるシングル・マルチモード光ファイバー,偏波保持光ファイバー等と, これらのファイバーに希土類イオンを添加したファイバーレーザーの増幅過程について,可飽和吸収体を利用したフェムト秒パルスの生成方法と, フェムト秒ファイバーレーザーの構成について,解説していただきました.最後に,ファイバー中で起きる自己位相変調によるパルス幅の広がりや短パルスレーザーの分散補償の手法について, ダブルクラッドファイバーを用いたフェムト秒ファイバーレーザー高出力化についてご紹介いただきました.
実験実習では,最初にフェムト秒レーザーを構成する種々の光ファイバーを接続する融着接続方法を体験しました.ファイバーの被覆除去,クリーニング,劈開を経たあと,融着接続装置でファイバーを接続し, 融着による損失を計測しました.続いて,フェムト秒ファイバーレーザー発振器の出力のパルス幅,スペクトル幅,パワーなどを測定しました.オートコリレータによってパルス幅を, スペクトルアナライザでスペクトル幅を計測し,時間・バンド幅積を計算し,レーザーパルスを評価するパラメタについて理解するとともに,ファイバー中でフェムト秒パルスが生成される原理を理解しました. 時間・バンド幅積がフーリエ限界の値よりも大きくなっている理由について,ファイバー中に起きる光の分散の影響を考慮して考察しました.最後に,パルス特性をフーリエ限界に近づけるために, ファイバー中の分散を補正する異常分散ファイバーを追加し,パルス特性を再度計測し,フーリエ限界パルスに近づける手法について,活発な議論が行われました.


2018 November 5 〜 November 8 イムラレーザー・アイシン精機株式会社
講義・実験実習風景