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2017年12月11日(月)富士フイルム株式会社 谷 武晴 先生による先端光科学講義II「進化し続けるナノフォトニクス」 と12月12日(火)〜14日(木) 谷 武晴 先生,安田英紀 先生,吉澤宏俊 先生による 先端光科学実験実習II「SPRバイオセンサを作ってみよう」が開催されました.

講義では,ナノフォトニクス分野で用いられるエバネッセント光について,いくつかの発生手法を具体例に挙げながら解説いただきました. 続いて,エバネッセント光が光の回折限界以下の領域に局在する性質を利用した高分解能顕微鏡,光記録,リソグラフィなどの方法をご紹介いただきました. 表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)とSPRを利用した屈折率測定法についてご紹介いただきました. このようなナノ領域における光学現象は,光線追跡法では再現することはできないため,FDTD法などの電磁場解析法が有効であることを, イメージセンサへの光入射シミュレーションを例に解説いだき,この手法を利用して行ったナノ構造を利用した遮熱フィルム,反射防止フィルムの製品設計, 更には化粧品関連における肌質感再現シミュレーション等への応用についてご紹介いただきました.

実験実習では,講義で紹介された表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)センサを自分達で構築し測定を行いました.レーザー光源のコリメートや光軸調整を行い, プリズムから反射された光の空間ビーム強度分布を直線型CCDカメラで検出しました.その後,底面に金薄膜を蒸着したガラスセル内に試料として水を入れてSPR信号を検出し, 偏光方向による信号強度の変化などの様子について観察しました.続いて,濃度の違う複数のエタノール溶液に対するSPR信号を計測し,屈折率とSPR信号間の相関関係を計測しました. 最後に,複数の日本酒をサンプルとしてSPR信号を計測し,SPR信号の特徴と日本酒の成分(アルコール分,日本酒度等)を比較して,飲まずに利き酒を行いました.


本実習では,「東京大学工学系研究科附属光量子科学研究センター」,文部科学省「光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」先端レーザーイノベーション拠点(東京大学)に ご支援いただき,博士課程学生の小松原 航さん(東京大学大学院理学系研究科),増井周造さん(東京大学大学院工学系研究科)にティーチングアシスタントとしてお手伝いいただきました.


2018 December10 〜 December13 富士フイルム株式会社
講義・実験実習風景